必ず発生するといわれている南海トラフ地震。
高知県では最も高いところで34mの津波が来ると推測されていて、地形の影響から、大量の瓦礫とともにおよそ1ヶ月半から2ヶ月にわたり浸水するそうです。 高知県警察では、南海トラフ地震による津波や水難水害時の災害対策の一つとして、水上に瓦礫があっても走行できるエアボートを全国の公的機関で初めて導入を決定し、この度、弊社のエアボートを納入して参りました。
【高知県警察に納入したエアボート(横から)】
救助用エアボート国内第1号として納艇したフレッシュエアー社製エアボートは、様々な工夫を施しています。 主な工夫を申し上げますと
* エンジンの高さを127ミリ下げ、ロープロフィール化(低重心化)し、安定性を向上(弊社独自仕様)
* 全沈を防ぐための不沈仕様(浮力:約1.9トン)
* 風の力を生かしつつ追い波も防止する機能を備えた波避板の設置(弊社独自仕様)
* 6人定員を実現しながらも広いデッキを確保するため、座席配置の工夫と折りたたみができるシート(弊社独自仕様)
* デッキ上は、クッション性のあるパッドを貼り、滑り止めだけではなく、デッキ上に座ったり横になったりする人にも優しい仕上がり
* ラダー(方向舵)とグラスレーキ(船前方波除板)を折りたためるようにし、運搬時のコンパクト化を実現(弊社独自仕様)
その他にも、細かな工夫を盛り込んで製造させて頂きました。
【折りたためるグラスレイキと、柔らかいパッドを貼った広いデッキ】
納入後は、座学・操縦訓練を実施し、安全にスキルアップができるようフォローアップして参ります。
【エアボート・トレーニング 座学風景】
佐々木は、東日本大震災による津波をきっかけに、瓦礫がある水面を行けるのはエアボートだけだと確信し、使命感をもって救助用エアボートを開発・製造してまいりました。
事業収入や私財を投じ、開発・製造・普及活動を継続していくことは、想像以上に厳しいものがありました。そうした中、多くの皆様方の温かいご支援に支えられながら、東日本大震災から6年を迎えたこの3月に、公的機関への納入を実現することができましたことは、誠に感慨深いものがあります。
このエアボートが救助のために活躍するような災害がないことを願ってはいるものの、近年は想定外の気象状況も発生していることから、もしもの時は、鬼怒川での救助活動以上に活躍してくれるものと信じています。
この納入を機に、水難水害が懸念される全国の地域に、導入が進むことを願っています。
また、今後も、ご支援賜りました皆々様のご期待にそえますよう、開発・製造並びに普及活動に精進してまいりますのでどうぞ宜しくお願い申し上げます。